|
ONTARIO OUTDOOR ADVENTURES |
||
| ホーム | 会社案内 |ツアー概要 |スケジュール|お問合わせ|ニューズレター | ||
![]() ![]() SUMMER 2004 Backyard |
||
| 水の季節 「夏」というと私は直ぐに湖や川、小川の「水」を連想します。私の住むオンタリオ州には25万以上の湖と10万キロに及ぶ川に恵まれています。今日、こうした流域内の多くが州立公園になり保護されています。その中でも有名なのが、州北西部のクエティコ、ワバキミ、ウッドランドカリブー、州北東部のレイクスペリオル、レディーエブリン(テマガミ)、ミシナビリバー、州中央部にあるアルゴンキン、フレンチリバー、キラニーなどの州立公園です。これらの州立公園内はどれも素晴らしいカヌーツアーが楽しめます。こうした公園内ではカヌールートが設置され、ネイティブ達や、毛皮商人などが数百年前に辿った歴史的なルートと同じルートを辿る事が出来るのです。 私の家族はこうした多くの州立公園をカヌーツアーする事が出来とても恵まれていると感じます。こうした場所でのカヌーツアーの経験は、複雑なエコシステムに対する理解度をより深めてくれました。水質の高さと綺麗さが地球上の全生物の健康にとっていかに大切かをより鮮明に分からせてくれるのです。私達にとって湖や川の水をそのまま飲める事はとても特別な事なのです。エコシステムが健全であるかどうかは、水際がライフサイクルの場となっている両生類や爬虫類の数で決ると最近ある書物を読み知りました。両方とも変温動物なので、彼らの体温は周囲の気温や水温に依存し、気候の変化にはとても敏感です。カヌーツアーをしていると岩や倒木の上で日光浴をしているカメ達や、カヌーに驚いて水の中に逃げる彼らの姿を見る事が出来ます。カメは太古から続く原始的な生命体の一つです。今回のニューズレターでは公園内で観察出来るカメについてと、北部の気候に適応し進化した彼らの生態についてご紹介します。 さらに、水と水質に関連して、アルゴンキンの厳しい湿原で生き抜く為に特別な適応力を身につけ進化させた植物についてもご紹介します。これらの植物は食虫植物と呼ばれ、カヌーのポーテージ中にミズゴケなどの生える湿原や湖沼などで良く見かけます。 私達は綺麗でそのまま飲める水がある事を当たり前の事と思ってはいけないのです。生物の源とも言え大切な自然の恵みである事を常に感謝しなければいけないのです。さあ、皆様もこの夏私達とご一緒にアルゴンキンでカヌーツアーをしては如何ですか? 湖は静まり返り湖面は鏡の様に対岸を映し出しています。湖面を乱さず、誰にも私が分からない様平泳ぎのストロークをゆっくりして泳ぎます。サンフィッシュやバスの群れがキラキラ光る中、スイレンの下をビーバーになったかの様に泳ぎ、カメの様になったかの様にダイビングして遊びましょう。 |
ホリー ブレフゲン 両親の影響で幼い時から自然に親しむ。85年、スキーテレマーク社設立。オンタリオ・アウトドアー・アドベンチャーズ代表取締役。 1児の母でもある。 |
|
|
|
||
| 北限になったアルゴンキンのカメ アルゴンキン公園には現在5種が確認されていますが、変温動物である彼ら爬虫類にとって長く厳しい冬は、厳しい棲息環境であると言わざるを得ません。原にこれらの種はこの付近が北限になっている事からもその厳しさが伺えます。アルゴンキンでは1970年代からカメの研究やリサーチが続けられ、寒い気候に対する彼らの適応能力を研究すると共に彼らの保護活動をしています。亀は長寿で知られていますが、私達人間よりも長生きをする動物なので、何世代にも渡る長期間の研究が必要です。産卵時期を迎えると研究者達が朝から晩まで産卵場に待機し、蚊やブヨと戦いながら産卵する亀達の観察と保護をしている場面に出くわします。自然保護地区でもあるアルゴンキン公園はこうしたリサーチには絶好の場所なのです。今回は公園を代表する3種のカメをご紹介します。 スナッピングタートル Snapping Turtle/Chelydra serpentina カミツキガメ科カミツキガメ属 和名:カミツキガメ ウミガメを除き北米最大のカメで、アルゴンキンでは最も多いカメである。甲羅の長さ30cm前後、体重10キロ前後で寿命は70年以上である。メスはこの半分位の大きさである。(アルゴンキンでの記録は40cmで体重18kg)甲羅はツルツルで成長した大人になると後部に藻が付着し、カモフラージュになる。長い尻尾の上部にはワニの様なギザギザが付いているのも大きな特徴である。日本では怪獣「ガメラ」のモデルにもなった亀として有名であるが、近年捨てられたペットが日本各地で見つかり問題になりつつある。体の大きさや陸上で追いつめられた際の反撃とその名前から「獰猛で危険な動物」と悪いイメージがあるが、元来は藻などを主食とすす雑食で比較的おとなしい性格である。水中では素早く動ける為、追いかけても襲い掛かってくる事無く逃げて行く事からも好戦的で無い事が伺える。普段は水底に潜んでいるためあまり姿を見掛ける事は出来ないが、6月頃になるとメスが産卵場に適した砂地に移動する為道路などでしばしば見かける。メスは18年前後で成熟し卵を産み始める。直径4cm前後のピンポン玉の様な卵を70ケ程産み70歳以上まで毎年生み続けるが、直ぐにキツネやアライグマなどに掘り起こされ食べられ子供の生存率は極めて少ない。 ペインテッドタートル Painted Turtle/Chrysemys picta ヌマガメ科ニシキガメ属 和名:トウブニシキガメ 朝から日中にかけて石の上や倒木で日光浴をする為、カヌーツアーなどでは必ずと言っていいほど見かけるのがこのカメである。甲羅の大きさは12〜17cmでツヤのある深緑や黒色をし、オスはメスよりやや小さい。顔や首に黄色いストライプ、首、前足、尻尾にオレンジ色のストライプが数本入っている。「ペインテッド」という英名は甲羅を縁取るオレンジと黄色の鮮やかな模様から付けられ、裏から見ると「ニシキガメ」とい和名も納得出来る。日光浴をする事で体温を上昇させ新陳代謝を活発にしているが、メスは産卵時期に備えオスイよりも長時間日光浴をする。オタマジャクシや水性昆虫を捕食する。オスは7年〜9年で成熟し、メスは11年〜16年かかる。5月〜6月になると砂地に穴を堀り4〜16ケの楕円形の白い卵を産み落とす。多い年で40%が翌年産卵を控えるが、約15%のメスは1〜2週間の間隔を空け2回産卵をする。産卵の回数や数はその年の気温に左右され、温度が高ければ数が増す。 9月頃孵化するが、子供は次の春までそのまま地中で越冬するのがこのカメの大きな特徴である。地中といっても極寒時には-10℃になるので体は勿論カチカチの凍結状態となるが、丁度ツリーフロッグが越冬する場合と同様細胞を壊さず体を凍結出来るのは驚きである。孵化し直ぐに外に出て外敵に捕食されるより、翌年まで待ち生存率を少しでも高めているのである。 ウッドタートル Wood Turtle/Glyptemys insculpa ヌマガメ科アメリカイシガメ属 和名:モリイシガメ 秋から春先にかけて水中で冬眠する以外は森の中で棲息するアルゴンキンで唯一陸性の強いカメである。陸に棲息する事から人間に簡単に捕獲された事や、開発で彼らの好む環境が少なくなった事から急激に減少している種である。大きさは20cm前後で、甲羅の表は灰色がかったこげ茶で、各亀甲には彫刻刀で付けたようなスジが入っている。裏はオレンジ色で側面には黒いブチが入っている。砂地の乾いた松林やポプラ林を好み、ブルーベリーなど木の実やミミズなどを食料とし、陸で食料を飲み込む事が出来る。また芸を覚える学習能力がある事も知られている。こうした理由からペットの対称となり多くが捕獲されてしまったのである。カメは成熟期間が長く大人の生存率は他の動物より高い事、逆に子供の生存率は極端に低い事が研究で解明されてきた。この事は、大人のカメが捕獲されてしまうと再生産率に直接影響してしまう事を裏付け、ウッドタートル数の急激な減少を立証しているのである。 |
産卵をするペインテッドタートル ![]() 「スナッパー」が愛称のスナッピングタートル ![]() 模様が綺麗なペインテッドタートル
甲羅に特徴があるウッドタートル |
|
|
|
||
|
アルゴンキンの厳しい湿原に適応した食虫植物 「ボグ」と呼ばれるアルゴンキンの湿原は、ピートモスなどのミズゴケ類が長い年月を経て腐敗積層た土壌です。酸性の上、窒素・カリウム・リンといった植物の成長に不可欠な養分もほとんど含まれず、植物にとっては最も厳しい環境です。2003年の冬号でも紹介しましたが、ラブラドルティーやレザーリーフなどは冬も葉を付け養分を少しでも吸収する事でこうした環境に適応した植物です。今回ご紹介する食虫植物は昆虫や微生物を捉え、消化し養分を吸収する事で厳しい環境に適応した珍しい植物です。この季節、湿原の中をカヌーで漕いでいるとこうした驚くべき能力を身に付けた食虫植物によくで会います。 ピッチャープラント Pitcher Plan/Sarracenia purpuria L .サラセニア科 サラセニア属 この季節、高さ30cm程の細長い花茎を立て、赤紫のがく片に緑色の皿状の変った花を咲かせる。カヌーを漕いでいると湿原の岸辺にこの衛星テレビのアンテナの様な花が周囲より突き出ているのでよく目につく。筒状の細長い葉を付け、中に雨水が溜まっている様を水桶(ピッチャー)に喩えてこの名が付いた。赤紫の色と葉の内壁にある蜜腺で虫を誘う。内壁には無数の繊毛が底に向って生えているので中に入った獲物は必然的に水の溜まった葉の中に落ち溺死する仕組みである。死んだ虫は葉から出される酵素とバクテリアの働きで消化される。面白い事にある種の蚊はボウフラの時期消化される事無くピッチャープラントの中に寄生し、溺れた昆虫を捕食して育つ。 瓶子草(ヘイシソウ)という和名もあるが北米原産の多年草で8種知られている。ウツボカズラは別種であるが、ピッチャー状の葉に雨水を溜めて虫を捕らえる仕組みは同じである。 モウセンゴケ Round-leaved Sundew/Drosera rotundifolia モウセンゴケ科モウセンゴケ属 世界に分布し150種程が知られている食虫植物の代表でもある。浮島や流木の上などにも生え湿原の至る所で観察出来る。遠くから見ると密生した様が赤いフェルト(毛氈)を敷き詰めた様になるのが和名の由来であるが苔類ではない。近くで観察すると葉は円形の緑色で、表面は赤い繊毛で覆われている。この繊毛の先端から透明の粘着液を分泌し朝露がかかった様に見える事から英名の「サンデュー」となった。この繊毛に虫がくっ付くと、葉が獲物を巻込み消化液を兼ねた粘着液がさらに分泌され消化が促進される。獲物が完全に消化されると葉は元に戻る。この時期葉の中央から高さ10〜20cmの花茎を立て白い小さな花を付ける。 タヌキモ Common Bladderwort/ Utricuralia vulgaris タヌキモ科 タヌキモ属 根が無く水中に浮かんでいる葉と茎をタヌキの尻尾に喩えたのが和名の由来。単体や密生して水中に浮遊し、枝状に細く分かれた葉にはミジンコやボウフラなどを捉える捕虫曩(ほちゅうのう)と呼ぶ黒っぽい袋が無数に付いている。英名のブラダーと言うのはこの水袋の事である。獲物が袋の蓋付近にある毛に触れると、蓋を勢い良く締め獲物を捕獲し、消化を始める。花は晩夏に水面から10cm程の花茎を伸ばし黄色の小さい唇形の花を数個付ける。アルゴンキンでは7種あり、ミミカキグサもこの種類である。日本では水質の綺麗な湖沼が少なくなった事から殆ど見る事が出来なくなり、絶滅危惧種になっている貴重な植物である。 |
![]() ピッチャープラント ![]() モウセンゴケ ![]() タヌキモ |
|
| Editor: Katsu Sakuma Special thanks : The Friends of Algonquin Park , Ontario Parks Photo credit: Katsu Sakuma, Algonquin Provincial Park References: "Reptiles & Amphibians of Alqonquin Provincial Park" by The Friends of Algonquin Park, "Wildflowers of Alqonquin Provincial Park" by The Friends of Algonquin Park,, |
||
| Backyard バックナンバー 01 Winter | 01 Summer | 01 Autumn | 02 Winter | 02 Spring | 02 Summer | 02 Autumn | |03 Winter| 03 Spring | 03 Summer | 03 Autumn | 04 Winter| 04 Spring| |
||
| ホーム | 会社案内 |ツアー概要 |スケジュール|お問合わせ|ニューズレター | ||