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ONTARIO OUTDOOR ADVENTURES |
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![]() ![]() SUMMER 2001 Backyard |
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| ボイジャーの軌跡をたどる アルゴンキンの森と湖がカヌーイストたちを歓迎する季節が再びやってきました。陽気なルーンの呼び声にあわせて私たちの心も躍り、軽快なパドルのリズムにのってカヌーは青い湖面を滑るように進んで行きます。目差すは北の針葉樹林に囲まれたキャンプサイト、旅の疲れを癒す今夜の宿です。 その昔、森の先住民であるオジブワ族がこの地で生活を営んでいました。アルゴンキンの名で知られる彼らは、樺の樹皮や杉、トウヒの根や樹脂を使って巧みにカヌーを工作し、狩りや釣り、また大自然から収穫できる食料を採取する時に使用していました。このカヌーの順応性、航海への適応性、また川の上流や急流を迂回する為陸地を歩かなければならない時の軽さに目をつけたのが、フランスの探検家、サミュエル・ド・シャンプランを始めとするヨーロッパの探検家たちです。彼らは無数の湖とそれを結ぶ支流が広がるカナダの奥地を探るにはカヌーが最も機能的な交通手段だと気付き、さっそくその技術を取り入れていきました。すぐにカヌーは、シャンプランや他の探検家たちにとって不可欠な移動手段となりました。またカヌーを利用した水上交通が発達することによって、アルゴンキンとヨーロッパ人の間で毛皮交易が始まり、その後四世紀に渡って繁栄することになりました。一部のフランス人たちは後に、カヌーの操縦だけでなく先住民の言葉やライフスタイルを学び、「ボイジャー」という名で呼ばれるようになりました。彼らは一本のパドルから得られる水上の自由と、未知の大陸を行く冒険の旅をこよなく好んだのです。 このボイジャーたちの踏み跡をたどるべく、今日でも多くのカナダ人が伝統的でロマン溢れるカヌーの旅を続けています。特にオンタリオ州では、湖水地方の多くが州立公園に指定され、州の保護を受けています。代表的なアルゴンキン公園には二千百キロメートルにおよぶカヌールート、トレイル、キャンプサイトがあり、様々な野生動物がそれぞれに適応した環境で生活しています。今回ご紹介するのは、水の世界に生息する野鳥と植物たちです。 自然の中で新しい発見と出会い、ボイジャーたちの旅心に触れるにはカヌーが欠かせません。私たちはこの夏、そして秋、皆さんとカヌーの旅をともにすることを楽しみにしています。Let's go! Hut! |
ホリー ブレフゲン 両親の影響で幼い時から自然に親しむ。85年、スキーテレマーク社設立。 オンタリオ・アウトドアー・アドベンチャーズ代表取締役。 1児の母でもある。 |
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| アルゴンキンの生物を支えるスイレン ホワイト・ウォーターリリーとイエロー・ポンドリリーという2つのスイレン科の水草は、アルゴンキン公園に咲く花の中では最も美しく、かつ数の多い花であるといえるでしょう。私達の興味を引く点はその見た目の美しさだけでなくアルゴンキン公園の環境に適応した能力と、他の生物に与えている影響が挙げられます。先ず「水中」という他の植物にとっては厳しい生息条件を克服し、他の植物に邪魔をされずに生育出来る事です。タンニンが溶け込んだ水中は日光が遮断され、酸素もほとんどありません。そこで彼らは根茎から水面に茎を伸ばし、葉を水面に浮かせ日光と酸素を効率よく摂取するという解決策を見出したのです。「気孔」と呼ばれる酸素の取り入れ口は通常葉の裏側にありますが、彼らは葉の表に気孔を持っています。また、茎には酸素を水底の根茎に送るための特別な管が通っており、夏の間生産したエネルギーを効率よく根茎に貯蔵するメカニズムも供え、冬の間氷で壊された茎を春先再びに水面に延ばす為のエネルギーとして使うのです。 また、これらの水草に依存している動物が非常に多い事も興味をそそります。かえるが葉の上で獲物を待ち構えていたり、バスなどの魚達がこうした水草の下を隠れ場としている事はカヌーツーリングをすると良く分かります。何よりもこうした水草を頼りにしているのが、これを主食にしているムースやビーバー達です。体重が600キロもあるムースは、夏の間、水草の群生する水辺で一日中こうした水草の根茎を探し回っています。ビーバーとスイレンの関係は特に密接です。夏の間はほとんどスイレンの花や茎を食料とし、木を倒す事はほとんどありません。ビーバー達は自分達の家を守る為ダムを作り川を堰とめ池に変えてしまいます。そのお陰でスイレンにも適した植生となるのです。またビーバー達が食べ散らかしたスイレンの茎が流れたり、ダムを作る際掘り起こした根茎が流れスイレンの繁殖を手助けしているのです。この様にアルゴンキンのビーバーは言わばスイレンの養殖者とも言えるでしょう。 ホワイト・ウォーターリリー(スイレン) 夜は花が閉じ寝ている様なので「睡蓮」という漢名で親しまれているスイレン科の多年生水草です。日本ではヒツジグサ(未草)という和名を持つ種類もみられます イエロー・ポンドリリー(コウホネ) 日本では水中にある白い根茎を骨にみたて「川骨・コウホネ」という名で親しまれているスイレン科の多年生水草です。根茎はセンコツ(川骨)という漢方薬にも利用されています。 |
![]() ホワイト・ウォーターリリー ![]() イエロー・ポンドリリー |
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| 北の大自然を象徴する水鳥、ルーン 公園内のほとんどの湖で最低1ペアは見かけるルーンは、その大きなサイズと黒と白のはっきりしたコントラストのボディーに、ヨーデルとも笑い声とも聞ける神秘的な鳴き声から、アルゴンキン公園を代表する鳥と言ってよいでしょう。世界で5種確認されており、アルゴンキン公園で見かけるルーンはコモン・ルーンと呼ばれている北米で最も多い種類で、オンタリオの州鳥に指定されています。夏鳥としてこの地で繁殖し、冬には北米南部〜メキシコ湾沿岸で越冬します。日本の沿岸各地にもシベリアやアラスカなどで繁殖している近種のルーンが冬鳥として越冬し、アビ、オオハムなどと呼ばれています。広島県の瀬戸内海ではアビを利用して魚を捕る「アビ漁」という伝統的な漁法もあり、県鳥にもなっています。カモの種類と間違われますが、アビ目、アビ科の独立した種類です。 ダイバーの異名を持つ潜水の名手 別名「ダイバー」とも呼ばれる通り、水中に潜り小魚を捕食します。潜水時間は長い時には3分間にもなり、潜る深さは60mに達します。これだけ潜水が得意な秘密はその流線形をした体と、水掻きの付いた足が体の最後部にある事です。水掻きが体の後部にある事で、潜水艦のスクリューの様に水中で最大の推進力が得られるのです。潜水に体を適応させた反面、陸上での生活には幾つかの弱点をかかえています。先ず足が体の後ろに付いている為歩くのが非常に苦手な事です。立って歩く事はほとんど出来ず、足と羽を使いお腹を引きずって地面を移動するのがやっとです。また、羽の大きさも飛ぶのがやっとの大きさで、俊敏な飛行は出来ません。飛ぶ際にも体が重い為かなりの助走距離が必要で、飛び立ったり、地上に降りたりするのは水面からでしか出来ないのは言うまでもありません。 南部の沿岸で越冬を終えたルーンは、グレーの冬羽から黒と白のはっきりした夏羽に換羽を終え、湖の氷が溶ける4月〜5月初めにアルゴンキンに戻ってきます。通常、同じつがいが同じ湖に戻ってきます。巣は当然ながら水辺に近く外敵から身を守れる湿原などに作ります。冠水しない様、泥や草を積み真ん中に窪みをつけます。前年の巣を再利用する事もしばしばです。卵は濃いオリーブ色で通常2個産み大きさは6cmx9cmとにわとりの卵より大き目です。卵から孵ったヒナは数時間後には泳いだり潜ったりする事が出来、湖が結氷する11月初め南部に渡るまで親元を離れません。12週間で飛べる様になりますが、ヒナの間は親が背中に乗せ水面を移動する姿をよく見かけ、微笑ましい光景です。 Call of the Loon(ルーンの呼び声) ルーンを印象付けるのはやはり何と言っても、「Call of the Loon」(ルーンの呼び声)と呼ぶその鳴き声です。アルゴンキンでキャンプをしていると、オオカミの遠吠えにも似た悲しげな声が、静まり返った森と湖に響き渡り何とも神秘的な気分にさせられます。ルーンの鳴き声には4種類あり、それぞれ次の様な意味合いがある事が分かっています。以下の4タイプの名前をクリックし実際の鳴き声をお楽しみ下さい。 Wail(ウェイル):オオカミの遠吠えの様な長い鳴き声。夜、雄雌デュエットで鳴く場合が多く、遠くに居るつがいや子供達とコンタクトする場合。 Tremolo(トレモロ):笑い声の様に震えた鳴き声。外敵や、テリトリーに侵入者が来た場合、警戒や危険を知らせたりする場合。また、飛行中に出すのはこの鳴き声だけ。 Yodel(ヨーデル):ヨーデルの様な鳴き声。自分の縄張りを知らせる為や、縄張り争いで相手を威嚇する場合。雄だけがこの鳴き声をだす。 Hoot(フート):「クークー」と短い鳴き声の繰り返し。近くに居る家族との絆を確かめ合う場合。 |
巣の上で休むルーン ![]() 羽を広げようとするルーン ![]() ルーンの家族 |
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| アルゴンキン公園のチーフ・パークナチュラリスト、リック・ストロンク氏に公園内で開催される様々なプログラムについてお話を聞きました。 公園内で催される様々なプログラムの企画、運営もパークナチュラリストの大事な役目と聞いていますが、私達が気軽に参加出来る主なプログラムを紹介して下さい。 先ず、来園の皆様に訪れて頂きたいのがビジターセンターです。ここには公園内の自然と歴史がジオラマや写真で説明してある他、野外展望台、アルゴンキンに関する出版物を販売するギフトショップがあり、プログラムの中心地といえます。私達のオフィスもこのセンター内にあるんです。 次に、東門近くにあるロギングミュージアムです。公園の歴史は林業の歴史とも密接に関わり、州立公園では唯一アルゴンキン公園だけが今なお林業を続けています。屋内の展示と短い映画をご覧のあと、野外に再現された木こり達の住居や、当時使われていた様々な道具をご覧ください。夏季の間は毎夜アウトドアシアターにて、私達ナチュラリストが公園の動植物についてのスライドショーを催します。夜のプログラムでは「オオカミの遠吠え大会」も人気が高いイベントです。公園内には16か所のガイドブック付きハイキングコースがあり、園内に見られる代表的な自然環境をハイキングしながら自由に観察出来る様にしています。実は今年コースを一つ増やしたので17ヵ所目のコースがこの夏オープンします。 これはいいニュースを聞きました。17番目の新しいコースは何処ですか? 比較的ビジターセンターに近い、40キロポスト地点です。名前は「ビッグパイントレイル」と銘々しました。というのも林業が盛んだった時代に切られずに残った樹齢100年以上の松を見る事が出来るからです。また、昔のロギングキャンプの跡地もコース内にあります。 「オオカミの遠吠え大会」ですが、野生のオオカミ達と実際に対話出来るプログラムとして世界的にも珍しく非常に人気の高いプログラムだと聞いています。開催される時期や実際に遠吠えが帰ってくる確率など教えて下さい。 1950年〜1960年代に公園内で実施されたオオカミの研究で、人間の真似た遠吠えにオオカミが返答する事が分かったのがこのプログラムを始める切っ掛けとなりました。最初に開催されたのは1963年の8月でナチュラリストが国道60号線沿いの集合場所へ行って見ると何と既に165台、650人の参加者が待ち構え、当初から人気のあった事が伺えます。40年近く続いている現在では平均2000人で自動車も400台〜500台に達し、公園内で最も大きなイベントになっています。国道60号沿いに20キロ近く車の列が連なる様子には圧倒されます。開催する時期は8月の毎週木曜日の夜にしています。でも、実際に開催するかどうかは当日にならないと告知しません。というのは、「パック」と呼ぶオオカミの群れが60号線沿線に居る事と天候が良い事の2つの条件が事前に揃わなければ良い結果が得られないからです。火曜日と水曜日の2日間にかけて私達ナチュラリストが60号線沿いにある「ランデブーサイト」と呼ぶパックが過去良く集まった場所を調査して回り、水曜日の夜までにランデブーサイトにパックが居る事を確認出来た時点で開催の決定を下します。オオカミが返答してくる確率ですが、前日に調査をする事もあり決して悪くありません。データによると約40年間で90回近く開催し、約7割の確率でオオカミから遠吠えが返ってきています。 私達も去年リックさんに連れられ特別にOOAのグループの為に「ミニ・遠吠え大会」を開いてもらいましたが、あの時の感動は今でも鮮明に覚えています。これほどまで多くの人達を引き付ける魅力は何だと思われますか? やはり、「野生の動物と実際に対話が出来る」という事ではないでしょうか? また、オオカミは「大自然」を象徴する動物である事も大きな魅力だと思います。公園内ではムースも人気のある野生動物で、その堂々とした姿やかわいらしい子供を見て感激しますが、コミュニケーションはなかなか出来ません。闇夜の中で自分の真似た遠吠えに、本物のオオカミが答えてくれた時は何とも不思議で、神秘的な感動を覚えます。実際にコミュニケーションが出来る野生の動物はそう多くはありません。 ありがとうございました。最後に日本の皆さんに何かメッセージはありますか? アルゴンキン公園はカナダの大自然をハイキングやカヌー、キャンプを通して自分達の肌で感じるには最高の場所です。是非皆様もアルゴンキン公園で私達の企画するプログラムに参加し、大自然に対する理解を深めて頂ければ幸いです |
![]() ビジターセンター ![]() ロギング・ミュージアム
ハイキング・トレイル ![]() リック・ストロンクス氏プロフィール カルビン大学で生物学と教職課程を専攻。高校の教師生活を経、生物学者として大学機関、MNR(自然資源省)や様々な会社に所属し、建築や土地開発が環境に及ぼす影響をリサーチするプロジェクトに関わる。1997年よりアルゴンキン公園でパークナチュラリストとして勤務し、現在はチーフ・パークナチュラリストとしてビジターセンターやロギングミュージアム、ハイキングトレイルなどで開催されるプログラムの企画、運営を総括する。 |
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| Editor: Akemi Nishimura, Katsu Sakuma Illustrator: Akemi Nishimura Special thanks : The Friends of Algonquin Park , Ontario Parks Photo credit: The Fiends of Algonquin Park, Michael Runtz References: Wildflowers of Algonquin Provincial Park by The Friends of Algonquin Park Birds of Algonquin Provincial Park by The Friends of Algonquin Park, Voices of Algonquin Park by The Friends of Algonquin Park |
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