ONTARIO OUTDOOR ADVENTURES

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SPRING 2004
Backyard
春到来の感激「スプリングフィーバー」
週末コリングウッドにあるスキー場に行き来する車の中で、最近息子のデビッドと良く話題にするのが、春のトラウトフィッシングについてです。どんなフライが一番いいか、釣りのテクニック、そして行きたいポイントなど、話しをしているだけでわくわくしてきます。私達が釣り好きになるきっかけとなったのが、去年の春家族で行ったアルゴンキン公園でのインテリアカヌーキャンプでした。私は母の日に貰った新しいパックロッドの釣竿を為すのも大きな目的でした。最初のキャンプサイトで、夕方デビッドが次から次へと2匹ものレイクトラウトを釣り上げました。食事を終えた後だったので2匹ともリリースしましたが、翌朝からは期待も膨らみパドリングをしながら常に大物を狙おうと釣りの事ばかり考える様になりました。さらにカヌーを北上させティムリバーにさしかかると、湖が荒れてきたのでカヌーから降り流れ込みでの釣りに変えたのです。ルアーやポイントを何回か変えてキャスティングしてみると、ピチピチした綺麗なブルックトラウトがヒットしたのです!ラインを取ろうと彼らのファイトは激しく、ジャンプをしたり川を激しく泳ぎ回ったりします。ここでこうしたファイトを何回も経験し、どんな場所でどの様に、何を使えばこの貴重なブルックトラウトを釣れるか学ぶ事が出来たのです。ブルックトラウトのヒットは私達にとって初めてだった事もあり、とてもエキサイトな経験として今でも鮮明に覚えています。

ブルックトラウトは「ブルッキー」のあだ名で親しまれ、その綺麗な斑点から「スペクルドトラウト」の別名があります。アルゴンキンのあるカナダ東部の固有種で、テクニックが必要な魚でもある事から、アングラー達にとって人気の高い魚になっています。アルゴンキンを代表するこの美しいブルックトラウトに関する詳しい説明はこの後のニュースレターをお読み下さい。

この地方の人々の間ではブルックトラウトは春の訪れを告げるシンボルの一つです。春の訪れを切望する意味で、早くから釣りに思いを馳せたりする事を「スプリングフィーバー」と表現しています。長い間雪に覆われた厳しい冬がある土地柄、新たな芽吹きの季節である春の訪れを私達はいち早く敏感に感じる事が出来るのです。日増しに長くなる日射や、渡り鳥たちのさえずり、そして星座の移り変わりなどを感じ直ぐそこまで来ている春の訪れを実感するのです。私達の住むオンタリオはこの季節様々な春の美しさで彩られます。皆様も是非私達のスプリングツアーに参加し、野の花で彩られたトレイルを歩いたり、カヌーに乗って釣りをしたり新たな命の芽吹く自然の恵みを堪能しましょう!

ホリー ブレフゲン
親の影響で幼い時から自然に親しむ。85年、スキーテレマーク社設立。オンタリオ・アウトドアー・アドベンチャーズ代表取締役。 1児の母でもある。




ブルックトラウトの聖地アルゴンキン
ブルックトラウトは和名カワマスとも呼ばれ、日本のイワナの仲間です。日本でもフライフィッシャーマン達にとって、見た目の美しさや美味な事からイワナやヤマメ同様人気の高いゲームフィッシュとなっています。アルゴンキン公園のある北米大陸北東部が原産ですが、1902年(明治35年)英国人貿易商グラバー氏と英国領事館員パーレット氏により日光・湯川に放流され、日本のフライフィッシングの幕開けとなった魚としても知られています。 今回は日本の毛鉤釣りの歴史とも関連の深いこのブルックトラウトをご紹介します。

アルゴンキン公園は雪解けが始まる4月末から、水温が比較的低い6月頃まではブルックトラウトやレイクトラウトなどトラウトフィッシングが盛んになります。この時期にはメイフライ(カゲロウ)など水棲昆虫や、アブ・ブヨなどが一斉に羽化し始め、彼らの捕食活動が盛んになる事もマス釣りに最適なシーズンとなる理由です。水温の暖かくなる7月を過ぎると冷水域を好む彼らは、湖の底深くに沈んでいる為カヌーを漕ぎながらトローリングでもしないと釣れる事はありません。現在オンタリオ州には約1000の湖に天然のブルックトラウトが棲息しています。その内の200湖はアルゴンキン公園内の湖である事を知ると、いかにアルゴンキン公園が釣り好きの憧れの地になっているかが頷けます

では何故アルゴンキンの地がこれほどまでにブルックトラウトが棲息する最適地になったのでしょうか?その理由はアルゴンキン公園の地形的な条件が深く関係しています。第4氷河期が後退を始めた約1万年前、大量の水がアルゴンキン台地を浸食し多くの湖や川を形成して行きました。同時にそれまで氷河の無い南部にいた魚達がこの地に向って繁殖を始めましたが雪解けの冷たい水の為、冷水を好むブルックトラウトなどのマス類だけが生き延びたという訳です。また、浸食や隆起により渓谷や滝が出来多くの湖が隔離され他の種類の魚が侵入しにくかった事も大きな要因です。この為同じ種類の魚でも生息環境により大きな個体差があるのもアルゴンキンのマス類の大きな特徴です。こうして1万年かけて確立されたブルックトラウトの聖域も、近年のスポーツフィッシングの増加と共にバスやパイクなど外来種が入り込んできた事や、生餌さとして使われた小魚の放流などによる影響が懸念されています。アルゴンキン公園では生餌の使用禁止や、湖によっては2匹までの数量制限やサイズ制限などを設けるなどしてブルックトラウトの保護に勤めています。

ブルックトラウト(Brook Trout) サケ科イワナ属 和名:カワマス
体長は15〜40cm、体重6キロ前後までになり寿命は約5年である。水温が20℃以下の水域で水質の綺麗な小さな湖や川に生息する。小魚も捕食するが川虫などが主食である。同属のレイクトラウトに比べて尾鰭が二股にはっきり分かれず角張っているのが特徴。また、背中全体と背鰭にもバーミキュレーションと呼ぶ虫食い文様がある。体側にはこの文様と同じ色の斑点と、青く縁取られた朱色の斑点が散在し成魚のオスは腹が赤くなり、川魚としてはカラフルで美しい。こうした綺麗な斑点からスペクルド(Speckled) トラウトの別名がある。

ブルックトラウトのオス


川の流れ込み付近がポイント


息子のデビッドがブルックをヒット!

雪解けと共に咲き出す春一番の野の花たち
アルゴンキンを代表する春の野花である「エンレイソウ」については去年の春号でお話しましたが、このエンレイソウが咲き出す一足先に花を咲かせる野花が沢山存在しています。エンレイソウばかりに気を取られて普段見過ごしがちなこうした野花を今回ご紹介します。

スプリングビューティー Spring Beautyスベリヒユ科
1〜2cmのピンク色のデリケートな花を咲かせ、地上低く湿った場所に群生する。ピンクがかった茎には細長い葉を一対付けている。花弁を良く見ると赤い筋が中心から放射状に延びている。通常は地中深くに塊茎状の根を張り地上に姿は見せないが、雪解け直後メープルの森に暖かな日差しが差し込み始めると一斉に花を咲かせる春一番を告げる花でもある。こんなに小さな花であるが、種が熟すると60cmほどの距離を飛ばす力が出るのは驚きである。

ヘパティカ Hepaticaキンポウゲ科スハマソウ属 (スハマソウ・ミスミソウ)
3つに避け先が尖った葉の形から日本では三角草(ミスミソウ)と呼ばれているが、英語ではこの形が肝臓に似ていて肝臓疾患に利くと信じられていた為、「肝臓」を意味する「ヘパティカ」と呼ばれている。日本では「雪割草」とも呼ばれ、雪解けと共に花を咲かせる野草の代表でもある。1.5-2.5cmの花は白からピンク、紫がかった物まで多様で、花弁が無く花弁に見立てた6‐12枚のがく片で形成されている。葉は冬でも枯れる事無く越冬する。

ダッチマンズブリーチズ Dutchman's Breeches ケシ科(ケマンソウ)
1-2cmの白やピンクがかった数珠状に連なった花を咲かせる。花は外側の大きな2枚と内側の小さな2枚で形成されている。肥沃で湿った日陰に群生する。「オランダ人のズボン」という面白い名で、花の形がパンタロンを逆さにして干している姿に由来する。この形は風雨の影響を受ける事が無く、バンブルビー(マルハナバチ)と呼ばれる蜂により受粉が確実に出来る仕組みになっている。和名の「華鬘」とは仏具の事で日本の花の形が似ている事からこの名がついた。

OOAの 春の野の花ツアーに参加すると、早春のメープルの森の中を歩きながらこうしたアルゴンキンの野の花を観察する事が出来ます。

スプリングビューティー


ヘパティカ


ダッチマンズブリーチズ
Editor: Katsu Sakuma
Special thanks : Mr. Brian Monroe of Ministry of Natural Resources, The Friends of Algonquin Park , Ontario Parks
Photo credit: Rob McGregor & Nicki Butala, Katsu Sakuma
References: "Fishes of Alqonquin Provincial Park" by The Friends of Algonquin Park, "Wildflowers of Alqonquin Provincial Park" by The Friends of Algonquin Park,,
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