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ONTARIO OUTDOOR ADVENTURES |
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![]() ![]() SPRING 2002 Backyard |
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| 新鮮なアイデアの湧く季節、春の訪れ 春の訪れはいつも好奇心をくすぐり、心を喜びと希望で満たすものです。それは何でもないようなこと、例えば戻ってきたばかりの渡り鳥たちのさえずり、訪れた隣人の庭で眺める雪の間から顔を出した繊細な新芽、あるいは早春の空気を胸いっぱいに吸い込んだ時だったりします。 昨春、私たちのガイドチームが南西のナイアガラ・エスカープメント(断層崖)を訪れました。景観の良い新しいハイキングコースを発見した私たちは、道の導くままに静かな森深く、湿地へと歩いていきました。すると、驚いたことにオンタリオで一番咲きのザゼンソウを見つけたのです。湿った地面から群生となった、大きな茶緑色の巻き貝の様な仏炎包と呼ばれる葉からは、またたくような小さな白い花に覆われた穂がのぞいています。そんな美しさだけではなく、急速な成長のために細胞呼吸が熱をおび、周囲の雪や氷を溶かしてしまうという驚くべき才能も持ち合わせています。 ハイキングコースは絵のように美しいロイヤル・ボタニカル・ガーデン(RBG)へと続きます。ここは1,100万平方メートルの敷地内に5つの庭園と4つの自然保護区がある広大なオアシスです。1930年、英国王の勅許により開園し、英国のキュー、スコットランドのエジンバラ、タスマニアのホバート、オーストラリアのシドニーとメルボルンの各RBGと肩を並べています。1941年公式にオンタリオ州の植物園として認可され、オンタリオ州の宝石となりました。RBGについてこのニュースレターでさらに詳しくご紹介いたします。私たちの春の野花ツアー、および紅葉ツアーにご参加いただき実際に訪れてみてはいかがでしょう。 さらに春、夏、秋のハイキングコースとして、ナイアガラ・エスカープメントとナイアガラの滝を通り、北に800キロメートルのトーバモリーまで続くブルーストレイルをご紹介したいと思います。ナイアガラ・エスカープメントは1990年、国連によりユネスコ世界生物圏保存地域に指定されています。ブルーストレイルは、キャロリニアン森林と呼ばれるオンタリオ州南部の森を通り北上し、ブルース半島国立公園を通り、さまざまな動植物を保護するファイブファゾム国立海洋公園など、多様なエコシステムを渡り歩くハイキングコースです。これら新しい特色を取り入れたツアースケジュールは、2003年ウェブサイト上でご紹介する予定です。どうぞお見逃しなく! ここオンタリオにある、私たちのバックヤードのように、春は新鮮なアイディアがわく季節、新しい外観と心がよみがえる季節です。オンタリオの特別な自然界についてより学び、ともに分かち合えるよう、みなさんのお越しをお待ちしています。ご質問があればお気軽にお訪ねください。 OOAから心温まるご招待をお送りいたします。Happy Spring! |
ホリー ブレフゲン 両親の影響で幼い時から自然に親しむ。85年、スキーテレマーク社設立。オンタリオ・アウトドアー・アドベンチャーズ代表取締役。 1児の母でもある。 |
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| メープルシロップが出来るまで 紅葉の秋、真赤に染まったメープルの森がどこまでも続くのを目の当たりにすると、アルゴンキン公園西部の7割がシュガーメープルで占められている事を実感します。アルゴンキンに限らず広大なメープルの森が広がるカナダ東部では、3月〜4月になるとメープル農家だけでなく、気の合った仲間達が寄り集まり木にタッピング(穴を開ける事)し、メープルシロップを採取する「タッピングパーティー」があちこちで開かれ、カナダ東部の春を告げる風物詩となっています。 シロップの採れる時期:「サップ」と呼ぶシロップの元となる樹液が採取出来るのは、昼と夜の温度差が0度を挟んで5度位になるこの時期だけです。凍結と溶解が繰り返される事により木の中の気圧が変化し、樹液が流れ始めます。夏の間葉で作られ根に蓄えられた澱粉が酵素の働きで糖分に変化し、この時期一斉に枝に送られ新芽のエネルギーとなるのです。この時期木に耳を当ててみると樹液の流れる音が聞こえる木もあると言います。木の成長にとって大切な樹液を貰うので、木を成長を妨げない為に樹液の採取には基準が設けられています。樹齢40年以上又は直径25cm以上でないと樹液を採取する事は出来ません。また一つの木でタッピングするのは3ヵ所までと決められています。シュガーメープルの他ブラックメープルという種類のメープルもタッピングに使われますが、葉っぱの付いていない時期にこうしたメープルの木を見分けるのは意外に難しいものです。 タッピング:樹液を採取するには先ず木に穴を開ける事から始まります。直径約1cmのドリルで3センチ程の深さの穴を開けます。穴を空けるとすぐさま樹液がポタポタと流れ出し如何に樹液が多いかが分かります。樹液と言っても松脂のようにベトベトせず、無色透明のサラサラした水の様です。なめてみるとほんのり甘く、かすかにメープルシロップの味がします。糖分はたったの3%で残りは水分やミネラルです。木によって樹液の多さや甘さが全然違うのには驚かされます。次に「スパウト」と呼ぶ口を穴にハンマーで叩き込みます。この時あまり強く叩き過ぎると穴が裂けて木を傷めてしまうので注意が必要です。スパウトはアルミや鉄製で、口の先にバケツをぶら下げる為のフックがついています。スパウトがしっかりと固定されたのを確認してからフックにブリキバケツをぶら下げ、後は樹液が溜まるのを待つだけです。静まり返ったメープルの森にあちこちからバケツの底を叩く音が響き渡ります。 樹液の回収:朝からタッピングを始めると、夕方にはバケツに3〜5リットル位溜まります。溜り方は木やタッピングする時期によっても左右されます。通常朝と夕方の2回バケツに溜まった樹液を大きなバケツに集めて回ります。集めた樹液は腐食し易いので通常直ぐに煮詰め始めます。樹液の回収作業は普通まだ残雪のある時期なので、スノーシューやソリを使いますが大変な重労働です。専門の農家では、「シュガーハウス」と呼ぶ煮詰め小屋をメープル林の中心に建ててあるのもうなずけます。ただこうした「バケツ方式」では採算が合いませんので木と木の間を細いホースでつなぎ、「シュガーハウス」と呼ぶ煮詰め小屋に直接送る「パイプライン方式」を現在は採用している農家がほとんどです。 煮詰め作業:回収した樹液は大きな鍋に入れ薪ストーブで煮詰め始めます。次々と樹液が足され、透明な樹液が色づき始めるまでにはかなりの時間煮詰めなければなりませんので、昼夜を徹した作業になります。メープルシロップになるまでには通常40分の1まで煮詰めなければなりませんが、煮詰めながら集まった樹液が足され続けるので、単純に40分の1に濃縮する事が出来ません。いつの時点で丁度いいシロップになるかはシロップ専用の濃度計を使うと便利ですが、足す樹液を常に計っておくと目安になります。家の台所などでこの煮詰め作業をすると、蒸気の中に含まれている糖分が天井や壁にこびりつくので戸外か「シュガーハウス」で行います。3%の糖分しかない透明な樹液が色づき始めるまでにはかなりの時間と燃料が必要です。ですから燃料は薪を使うのが伝統的で一番安上がりな方法です。専門農家では石油を使った燃焼効率のいい「エバポレーター」という煮沸釜を使っていますが、それでも刻々と変わる濃度の変化と火加減の調節をしなければならないので、昼夜を徹しての作業は今も昔も変わりません。40分の1に濃縮され飴色に変わったメープルシロップは、最後にフエルトで出来たフィルターに通し不純物を取り除いて完成です。 |
ドリルで穴をあける 溜まった樹液はかすかに甘い 溜まった樹液を皆で回収 薪ストーブで煮詰める 樹液を足しながら煮詰める メープルシロップの出来上がり |
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| 春の訪れをいち早く告げる座禅草(スカンクキャベツ) 3月〜4月、メープルの森に囲まれた残雪の残る湿地に目を配ると、所々雪が解けた所から赤茶けた植物が顔を出しているのに気づく事があります。これは和名で座禅草といい、その姿が座禅をしている僧の形に似ている事に由来します。高さ10cm〜15cmの多年草で、赤茶けた部分は仏炎苞といいその中にある花軸を包み込み、守る役目をしています。仏炎苞のフードを被り中から顔を覗かせている花軸を良く見ると表面に黄色い小さな花が密集しているのがわかりますが、この花軸は悪臭がある為北米では「スカンクキャベツ」とよばれています。花が終わりそれまで巻いてあった葉を大きく広げる様子をキャベツに見立てたのです。この葉は5月〜6月にはピークに達し、長く太い茎に支えられた円形の葉の大きさは50cm程の大きさになります。7月〜8月には大きく茂った葉も姿を消し、葉で作られた養分は地中深くの根茎に貯えられます。鉛筆の太さ位の根茎は複雑に絡み合い、あらゆる方向に広がる為完全な形で根を掘り出すのは不可能です。どっしりと根を降ろし鎮座する姿も「座禅」の名にふさわしく思います。 日本でも有名なミズバショウの仲間のサトイモ科ですが、ミズバショウよりやや乾いた土地にも生育します。サトイモ科というと熱帯に広く分布していますが、寒冷地に広がったのがこの種類で、座禅草は東アジアと私達の住む北米の東海岸に多く生育しています。 寒さに負けない秘密 座禅草は花を咲かせる際、発熱する事も大きな特徴です。根茎に貯えられた澱粉が花軸で酸素と結合し熱を発生させます。発熱する期間は開花している約2週間で、昼夜を問わず平均して外気温より20℃高い温度を維持しています。花軸に触ると確かに暖かく感じます。私達、恒温動物のように体温調節機能があるのは驚きで、この時期の酸素の摂取量も同等の大きさの哺乳類とほぼ同量になる事がわかっています。そしてこの発熱する開花期間には、「スカンクキャベツ」と呼ばれる通り、花軸から放たれる悪臭が強くなります。腐った肉の臭いにハエ達が誘われるのと同様に、春先に活動し始めたばかりの小さなハエなどのムシ達がやってきます。高めの温度に他のムシ達もその恩恵に預かろうと集まり、こうしたムシ達を目当てにクモ達もやってきます。発熱した花軸周囲の空気は暖まり、臭いと共に仏炎苞の中を上昇気流となり渦を巻きながら外へ出て行きます。そして仏炎苞の下からは新鮮な空気が取り込まれ、発熱に必要な酸素が吸収されるのです。フードの形をしたこの仏炎苞も、花軸を守るだけで無く発熱作用にも大きな役割をはたしています。 この様に座禅草は私達がまだ春の気配を感じない時期に、寒さに負けずいち早く春の訪れを告げているのです。 |
座禅の姿を連想させる座禅草 (RBGクーツパラダイスサンクチュアリー) 谷間の沢沿いに広がる座禅草 (RBGクーツパラダイスサンクチュアリー) 葉を広げた座禅草 |
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| カナダ最大の植物園、ロイヤル・ボタニカル・ガーデン トロントとナイアガラの滝は車で1時間半と近い事もあり、ついその途中にある様々な面白い場所を素通りしてしまいます。今回は、春先から野花が咲き始めるカナダ最大の植物園、ロイヤル・ボタニカル・ガーデン(RBG)をご紹介します。 1930年ジョージ5世英国王により王室認可を受けた植物園は、1941年オンタリオ州政府のサポートを受け、「植物収集、研究、解説、展示をカナダ及び世界の人々に知らしめると共に、人間生活と植物及び自然との関係の理解を深めてもらう活動をする事。」を目的に半官半民の施設としてスタートしました。現在は州政府のサポートの他、行政、企業、7500人の会員による会費により運営されています。カナダ最大を誇る総面積1100万平方メートル(1100ヘクタール)の広大な植物園は、5つの庭園と4つの広大なサンクチュアリー(自然保護区)から成り、人間だけでなく野鳥を始め多くの生物に憩いの場を与えています。単に見て楽しむだけでなく、様々なイベント、フェスティバルが園内で通年催され実際に参加出来るインタラクティブな事も大きな特徴です。 地中海ガーデン:RBGセンター内にあり、夏は乾燥し冬は温暖な地中海式気候に育つ植物を温室内で展示しています。ラン、観葉植物、レモン、オレンジなどが通年鑑賞できます。 ローズガーデン:350種、2600本以上のバラが収集され種類の多さでは北米屈指です。バラ園の他に、ハーブ園、ユリ園、薬草園があります。6月〜9月までが見頃です。 レーキングガーデン:1800年代後半〜1900年代初頭のビクトリア時代に流行したガーデンを再現。その他、あやめ園、シャクヤク園、デイリリーなど、4月〜10月まで鑑賞出来ます。 ロックガーデン:1929年に作られたRBG最初の庭園で、平たい石灰岩を積み重ねて形作った素晴らしい石庭です。チューリップなど10万個以上の球根や、日本の桜が春には一斉に花を咲かせます。ツツジ、シャクナゲ園もみ逃す事は出来ません。4月〜9月まで鑑賞可能です。 樹木園:5月〜6月に、爽やかな香りと共に咲き誇る100種以上のライラックがこのガーデンの見所です。その規模は世界最大でRBGの看板とも言えるでょう。その他、垣根コレクション、ハンザシ、モクレンや、オンタリオの固有種約70種の樹木が鑑賞できます。また、園内にはネイチャーセンターがあり、園内の自然を分かり易く解説しています。 クーツ・パラダイス:800ヘクタールの面積を誇り、4ヵ所あるサンクチュアリーの中で最大です。21キロに及ぶハイキングコースがあり、様々な植生、生物、地形が観察可能です。このエリアは「プロジェクト・パラダイス」という湿原復元プロジェクトの対象地となり、コイの増殖や排水の問題で破壊された湿原の生態系を取り戻す努力を1992年よりしています。1998年には水質も良くなり。多くの植物が復元し始めた事が確認されています。 ヘンドリー・バレー:ローズガーデンに隣接し、湿原を取り囲む100ヘクタールの敷地内には5kmのハイキングコースがあります。 ロック・チャペル:ナイアガラ断層崖の中に位置し、ユネスコ世界生物保護区の一部にもなっています。3.5キロのハイキングコースには25メートルの滝があり、クーツパラダイス、その先にはハミルトン市が眺望出来ます。オンタリオ州自然資源省(MNR)により自然科学研究地にも指定され、生物多様化のモニタリングがされています。 ベリー・トラクト:最少ではありますが、1.6キロのハイキングコースには変化に富んでいます。北部はナイアガラ断層崖をかすめており、ロックチャペルとクーテスパラダイスをつないでいます。 カナダ最古のハイキングトレイル「ブルース・トレイル」 ナイアガラエスカープメント(断層崖)に沿って、ナイアガラの滝に近いクイーンストンを発端とし、ブルース半島・トーバモリーまで800キロに渡って続くブルーストレイルは、カナダで最も古く、人気の高いハイキングトレイルとなっています。ナイアガラエスカープメントは動植物の宝庫でもあり、地質学的にも重要で1990年には、ガラパゴス諸島やセレンゲッティーと同様、ユネスコ世界生物圏保存地域(Biosphere Reserve)に指定されました。RBGのサンクチュアリーを通り抜けているナイアガラ断層崖とこのトレイルを保護、整備する「ブルーストレイル協会」をRBG内に置き、保護整備の協力をしています。 |
![]() ![]() 通年楽しめるRBGセンター ![]() 世界最大のライラックガーデン
春の野花がトレイルに咲く サンクチュアリー内のトレイル ![]() 北米最大のRBG |
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| Editor: Akemi Nishimura, Katsu Sakuma Illustrator: Akemi Nishimura Special thanks : Royal Botanical Garden, The Friends of Algonquin Park , Ontario Parks Photo credit: Royal Botanical Garden, The Friends of Algonquin Park, Katsu Sakuma References: In Context (Fall, 2000) written by Craig Holdrege, published by The Nature Institute, Wild flowers of Japan "Spring" published by Shogakukan. |
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