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ONTARIO OUTDOOR ADVENTURES |
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![]() ![]() AUTUMN 2002 Backyard |
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| アーティストの秋 今から約百年前、若い芸術家に操られた一本の絵筆によって、アルゴンキン公園の自然美が世界中に知れ渡るようになりました。それらの作品は現在でも、老若男女関係なく、見る人の心を虜にします。今年はこの情熱的でかつ謙虚な画家の、生誕125周年記念となります。 トム・トムソンは、フィッシング愛好家であり、情熱的なカヌーイストであり、アルゴンキン公園に魅了された風景画家として、その自然環境と野生動物にとても精通していました。トムソンはすぐれた観察力を持ち、公園内をカヌーとポーテージで渡り歩く際、目にするもの、耳にするものすべてを集め吸収していきました。いったん絵を描く準備が整うと、彼は実に素早く、正確に、そして鮮明にその題材を描いていきました。彼は独自のテクニックを発展させ、絵の題材を野の花や樹木、岩、川、スキーや風といった、移り変わるアルゴンキンの情緒や季節の中から選び出しました。1914年には、トムソンと彼の友人である他の芸術家たちによって、「カナディアン・アルゴンキン・スクール」なるカナダ独自の芸術を奨励するクラブが設立されました。折りしも木の葉の色が赤く染まりだす9月であり、「木々たちも芸術家たちをたくさんかかえ集めている」と言わしめた程です。このクラブのメンバーたちが後に「グループ・オブ・セブン」と呼ばれるカナダを代表する画家集団となり、世界にその名を知らしめるのです。 秋の紅葉は、色鮮やかなメープル、アスペン、バーチの森を堪能したいカヌーイストやハイカーたちを引寄せます。そして多くの画家たちがその華麗さに魅了され、水彩や油彩の絵の中にアルゴンキンのエッセンスを塗り込めるべく、公園を訪れるのもこの季節です。このような光景は、一枚の絵がもたらす自然との精神的な繋がり、感謝の気持ち、守り引き継いでいくことへの願いを感じさせ、私の心を躍らせます。この秋、私も芸術の秋の伝統に従い、スケッチブックと絵筆、絵の具を持って出かけたいと思います。皆様も私と一緒に紅葉を巡る旅に加わり、アルゴンキンの景観を表現してみてはいかがでしょうか? |
ホリー ブレフゲン 両親の影響で幼い時から自然に親しむ。85年、スキーテレマーク社設立。オンタリオ・アウトドアー・アドベンチャーズ代表取締役。 1児の母でもある。 |
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| トム・トムソンとアルゴンキン公園 カナダを代表する画家というと、1900年代初期に活躍した、トム・トムソンがあげられますが、彼がアルゴンキン公園をこのうえなく愛し、その森と湖、そして岩と空を題材にした作品を数多く残したことは、あまりにも有名です。トムソンと彼が率いる、「グループ・オブ・セブン」と呼ばれる画家の一団は、当時主流であった、ヨーロッパ絵画の模倣を止め、カナダ独特のスタイルを生み出したことで注目を浴びました。 トム・トムソンは1877年、トロントの東にあるクレアモントという町で生まれました。10人兄弟の6番目として農家で育った彼は、自然愛好家であった父の影響もあって、動物や魚などが大好きな少年だったようです。また父親以上に歳の離れた従兄、ウイリアム・ブロディ博士は、当時名の知れた自然研究家であり、トムソンも標本収集を手伝うなどして、ナチュラリストとしての素質を培っていきました。トムソンの家系は音楽や文学にも関心が深く、彼自身も幼い時からさまざまな楽器を演奏し、図画のレッスンを受けたりもしていました。 病気のため高校に行くことができなかったトムソンは、20代に入ってから実務学校へと進み、シアトルで写真製版工として働きだします。シアトルでも有数の大手製版会社へと移ったトムソンは、家庭を持って落ち着くことを考え、当時親しかったアリス・エリノア・ランバート嬢に結婚を申し込みます。ところがプロポーズは承諾されず、彼はカナダへ戻ることを決心しました。 1905年、トロントに戻ったトムソンは、数社の製版会社と契約を結び、数年のうちにデザイナー、そしてイラストレーターとしての名声を得ていきます。1908年、トロントの製版会社、グリップ社に勤務し始めた彼は、そこでフランクリン・カーマイケル、フランツ・ジョンストン、アーサー・リスマー、J.E.H.マクドナルド、フレッド・バーレーといった画家たちと知り合い、友人となります。彼らはトロント郊外に折を見つけては出かけ、そこに広がる自然豊かな景観を描きました。それは商業アートにありがちな創作の限界にとらわれず、純粋な芸術としての絵画を楽しむ機会でもありました。 1912年、トムソンのデザイナーとしてのキャリアに契機が訪れます。その年の春、アルゴンキン公園に2週間ほどキャンプをした彼は、7月下旬から9月までさらにそこに滞在し、カナディアンウィルダネスの無骨な景観美をスケッチしていきました。翌年、そのなかの1枚をフルサイズのキャンバスに仕上げたトムソンは、その絵を「ノーザンレイク」と名付け、展示会に出展します。絵はオンタリオ州政府のバイヤーの目にとまり、当時としては大金の250ドルにて購入されました。 その後も、アルゴンキン公園を題材にしたトムソンの作品は、カナダ国立美術館などによって購入され、画家としての彼の地位をゆるぎないものとしました。ところがトムソン自身は、絵に対する情熱を内に秘めた物静かな青年であり、広く社交することを嫌い、気のおける少数の友人たちとつきあうことを好みました。こうしたトムソンの性格と、彼の画家としての才能に惹かれ続けたグリップ社の5人の画家に、ローレン・ハリス、A.Y.ジャクソンが加わり、後の「グループ・オブ・セブン」となって行くのです。 トムソンのアルゴンキン公園に対する愛着は年を重ねるごとに増し、雪どけから秋の終わりまで公園内で過ごし、冬をトロントで過ごすという生活が続きました。そして彼が、40歳の誕生日を目前に亡くなったのも、アルゴンキン公園です。 1917年7月8日、釣りに出かけたトムソンは、その後カヌーレイクにて水死体となって発見されます。警察はカヌーの転覆事故として、事態を処理しましたが、トムソンが非常にすぐれたカヌーイストで、公園でレンジャーとして活躍していたこと、また当時の天候が非常に穏やかで、湖には波ひとつ立っていなかったことから、彼の友人、知人たちの間に、疑惑が持ち上がりました。議論は、その後何十年も続き、60年後の1977年には、地方紙であるトロントスターが、この事故を殺人事件として調査し、記事を発表しています。結局、決定的な証拠はあがらず、事件は迷宮入りしたまま、現在にいたっています。 彼が残した、50のキャンバスと、300以上のスケッチは、カナダ国立美術館、オンタリオ美術館などに保管され、現在も多くの人々を魅了し続けています。今年はトム・トムソン生誕125周年を迎え、各地の美術館で記念展示が催されています。http://www.national.gallery.ca/exhibitions/exhibitions/tom_thomson/visual/index_e.html |
カヌーレイクに建つトム・トムソンの 記念ケルンとトーテムポール。 ![]() トム・トムソンが亡くなったカヌーレイク は、カヌーのメッカとなっている。 ![]() オタワにあるカナダ国立美術館では 現在トム・トムソン生誕記念展を開催中。 |
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| 冬に備えるカエルの話 アルゴンキンの秋は、和らぐ夏の酷暑にほっと一息をつくと同時に、これから訪れる冬の厳しさに身をひきしめる季節でもあります。渡り鳥は南へと旅立ち、クマやリスは越冬の準備を始めます。今回はアルゴンキン公園に生息する小さなカエルたちが、氷に閉ざされた季節を生き残るために備えた、驚くべき身体の仕組みをご紹介します。 私たち人間や他の哺乳類、鳥類といった恒温動物は、体内で熱を作り出すことができます。恒温動物は服を着たり、毛皮や羽毛を身にまとうことによって体温を維持し、少々気温が下がっても十分に活動することができます。ところが爬虫類や両生類といった変温動物は、自分達で熱を作り出すことができません。彼らの体温は周囲の温度にあわせて変化し、気温や水温が下がると活動するために必要な体温を維持できなくなります。冬が近づき氷点下となると、活動ができなくなるばかりか生きていけなくなってしまいます。そこでこれら変温動物は、呼吸や心拍さえも止め冬眠に入ります。 変温動物が氷点下の環境に直面するといったいどうなるのでしょうか? 体内に氷の結晶が形成されだすと、水分が氷となって膨張する際に生み出す力により、身体の複雑な機能に圧力が加えられ破損されます。また氷の結晶は細胞の壁となる薄膜をずたずたに切り裂きます。つまり身体は内側から破壊され、気温が上昇し氷が融けても元に戻ることはありません。このためアルゴンキン公園のように冬期常に氷点下を記録する地域では、変温動物は体表を外気にさらさせない方法を身につけなくてはなりません。 最も簡単な方法は、真冬でも凍らない水中深くにもぐってしまうことです。アルゴンキンに生息するカメの多くが水中で越冬しますが、実はこの方法には大きな欠点があります。いくら冬眠中とはいえ、カメたちは全くの酸素無しで長い冬を生き延びることはできません。そこで呼吸をするため、身体の一部を水中にさらしておく必要がありますが、水底の泥の中に完全に姿を隠してしまえないため、カワウソなどの格好の餌食となってしまうのです。 そうなると地中にもぐるほうがより安全なわけですが、この方法で越冬するのがアメリカヒキガエルです。体長約5cmから11cmになるこのカエルは、温度が氷点下にならない深さまで穴を掘ってもぐり、春の雪どけまで仮死状態となります。驚くべきことは、公園内でよく見られる他の3種類のカエルたち、グレーツリーフロッグ(ハイイロアマガエル)、スプリングピーパー(トリゴエアマガエル)、ウッドフロッグ(アカガエル)です。これらのカエルはアメリカヒキガエルに比べるとずいぶんと小型で、寒さを逃れるのに十分な深さの穴を掘ることができません。土にもぐることによって天敵の目からは隠れていますが、身体は凍ってしまうのです。先ほど氷の結晶が体内に与えるダメージについてご説明しましたが、いったい彼らはどのようにして厳冬を生き残るのでしょう? ウッドフロッグに関する研究報告によると、このカエルの皮下に氷の結晶が形成されだすと、肝臓にある酵素のひとつに信号が送られ、この酵素がグリコーゲンを分解してブドウ糖に変化させることが分かりました。約数分のうちにカエルの血糖値は一気に上昇し、数時間この状態が続くのです。この驚異的な変化をより分かりやすくするため人間の場合と比べてみましょう。通常、私たちの血糖値は1mlの血液内に0.5mgから1mgが普通です。糖尿病の患者であればこの3倍から4倍の血糖値が測定されますが、凍り始めたウッドフロッグの血液内には、何と45mgものブドウ糖が確認されているのです。 糖分はカエルの身体が凍ってしまうのを食い止めることはできませんが、口や鼻などの体腔、あるいは細胞と細胞の間に氷が張ってしまうのを防ぎます。細胞内の水分も、高い糖分を含むことによって凍りにくくなります。また細胞は、外気温がさがると脱水状態へとなっていくのですが、糖分の高い体液はこの進行を遅らせます。 約24時間でこの過程も終わりに近づくと、カエルの体内にある水分の50-60%が凍っています。体内にある組織の間、皮膚の下、筋肉のまわり、そして体腔にはカチカチに氷が張っています。内臓も完全に氷の中に閉じ込められていますが、臓器そのものは氷結からまぬがれているのです。 さらに興味深いことに、濃縮したブドウ糖は細胞のエネルギー消耗を遅らせることも判明しています。つまり細胞は生命を維持するためのエネルギーを通常より必要としなくなり、過酷な環境下でもより長く生きることができるようになります。またブドウ糖は酸素に代わってエネルギーを各細胞に供給することもします。 カエルの体内で繰り広げられる生命の不思議には、感心せずにはおれません。秋のアルゴンキンでこの小さな生き物たちに出会うことがあれば、訪れる冬に備えた素晴らしい知恵と身体の仕組みを思い出してください。 |
![]() アメリカヒキガエル
ウッドフロッグ(アカガエル) ![]() スプリングピーパー(トリゴエアマガエル) |
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| アルゴンキンのバックパッキング
国道沿いから離れた奥地「インテリア」でのキャンプを楽しむには、カヌーにキャンプ道具などの荷物を積み2100キロにも及ぶカヌールート上をツアーするのが最も人気がありますが、公園内に3ヵ所ある以下のバックパッキングルートを利用するのも一つの方法です。3ヵ所とも周回コースが設定され、6キロ〜88キロの範囲を1日〜数日かけて1周するコースになっています。紅葉で覆われた森を遠巻きに楽しむカヌーに対して、真っ赤に燃える紅葉の中を歩いて楽しめるバックパッキングもまた格別です。 ウエスタンアップランズ・バックパッキングトレイル 32キロ〜88キロの周回コース。日数に応じて何通りものコースが設定可能です。公園内で最も長いコースで、公園西部に広がるメープルの森の中を歩きます。 ハイランド・バックパッキングトレイル 19キロと35キロの周回コースの2コース。19キロコースはプロボーキングレイクの周囲を回り、35キロコースはハーネスレイク、ヘッドレイクまで行くコースです。 イースタンパインズ・バックパッキングトレイル 6キロと15キロの周回コースの2コース。公園東部に広がる松林の中を歩きます。4.5キロのハイキングコース「バームレイク・トレイル」が併設され、公園東部の典型的な松林を解説しています。 カヌーマップと同様、バックパッキング専用のルートマップがあり、キャンプサイトの場所や距離などが細かく記されています。各コースは色別に分けられコースの所々に色別の標識があるので迷う心配はありませんが、標識が無くなっていたり草が伸びて分かりずらい個所もあるので要注意です。コースの分岐点にはルートマップと標識が設置され見過ごす事の無いようになっています。公園の平均標高は約500メートルで、各コースの標高差も150メートル前後と比較的緩やかですが、実際にコースを歩いてみると起伏の多さに驚かされます。比較的平坦なトレイルを歩いていたかと思うと「ルックアウト」と呼ばれる見晴台に出て、眼下に広がる湿原でムースの親子が水遊びをしている光景に出くわす事もある位です。コースの4〜5キロ毎に湖畔のキャンプサイトや川があるのでランチ休憩や小休止するには最適で、よく考えられたコース設定には感心させられます。オレンジ色に三角マークのキャンプサイトはそのほとんどが素晴らしい景色を楽しめる湖畔にあり、水の心配もいりません。汗だくになりキャンプサイトに着いた後、直ぐに湖に飛び込み汗を流せるのもアルゴンキンのインテリアキャンプならでわです。カヌーのキャンプサイト同様「サンダーボックス」と呼ぶトイレや、ファイアーピットも各キャンプサイトに設置されています。キャンプでの食料はカヌーツアー同様木に吊るし、熊やタヌキが届かない様「ベアープルーフ」をしなければなりません。 アルゴンキンの「インテリアキャンプ」というとカヌーツアーが主流ですが、バックパッキングで巡ってみるとまた新たなアルゴンキンの姿が見えてきます。2回目のアルゴンキンはバックパッキングにチャレンジしてみるのはどうですか? |
![]() ウエスタンアプランズ・トレイルのスタート地点 各コースは色分けされている。 キャンプサイトはオレンジのマーク。 |
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| Editor: Akemi Nishimura, Katsu Sakuma Illustrator: Akemi Nishimura Special thanks : Ministry of Natural Resources, The Friends of Algonquin Park , Ontario Parks Photo credit: Algonquin Park Musuem, Katsu Sakuma References: "RAVEN 2001" by The Friends of Algonquin Park, "Backpacking Trail Map" by The Friends of Algonquin Park |
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| Backyard バックナンバー 2001 Winter | 2001 Summer | 2001 Autumn | 2002 Winter | 2002 Spring | 2002 Summer |
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